宮原健斗が語った“今のプロレスファン”について

宮原健斗が語った今のプロレスファン像が深い。

先日、清野茂樹アナウンサーがパーソナリティを務める「真夜中のハーリー&レイス」に“プロレスラー”大仁田厚選手が出演していた。

還暦を過ぎてなお“邪道”と呼ばれる漢。その生き様、背中に多くの人間が影響を受けてきた。と...これ以上踏み込むと大仁田厚選手の特集になってしまうのでこのくらいに。

大仁田厚選手よりも遡ること3ヶ月以上前。全日本プロレス“満場一致で最高の男”宮原健斗選手が清野茂樹アナウンサーとの“タイトルマッチ”に挑んでいた。

全日本プロレスの至宝である「三冠ヘビー級ベルト」の最年少戴冠記録持つ最高の男。トーク力も勿論、最高級だ。

※ちなみに宮原健斗選手のデビュー戦の相手はSANADA(当時、真田聖也)選手である。2008年2月11日のこと

番組中では健介オフィス時代のことを振り返りつつ、今のプロレスや自身のプロレス観を大いに語っていた。

そんな中、ポッドキャスト限定配信の延長戦で、「最近のプロレスファン」について宮原健斗選手が言及した。

今のプロレスファン(これはエンターテインメント全般を指す広い意味だとも取れる)は、以前の人々ほどエンターテインメントに対して、思い入れがないのではないか、と。

今、この瞬間を楽しむキャッチーさが求められている。そんな事を視野に入れながらプロレスに取り組んでいると語っていた。

清野茂樹アナウンサー曰く「線ではないプロレス」。

時代が移り変わり、歴史が変わる中でプロレスの楽しみ方は今後どうなっていくのか。

各団体の興行が本格的にスタートする前にこの点を改めて考えてみたい。

 

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2017年のイッテンヨン、内藤VS棚橋

ここはまず、新日本プロレスで考えてみよう。

時計の針は2017年のイッテヨン。東京ドーム大会へ。

セミファイナルの内藤哲也選手VS棚橋弘至選手。メインイベントのオカダ・カズチカ選手VSケニー・オメガ選手。

この2試合はあまりにも合わせ鏡のように対極的な試合だった。

まずはセミファイナルから説明してみよう。

中邑真輔選手が去った後の新日本プロレスにおいて、「IWGPインターコンチネンタルベルト」を引き継いだのは内藤哲也選手だった。

俺は一度もこのベルトを欲しいとは言っていないをモットーにチャンピオンという立場にありつつも、太々しい振る舞いを続けてきた。

内藤哲也選手、「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」ブームを相まって時代の寵児と化していた。

一方で棚橋弘至選手。東京ドームのメインイベント連続出場記録を継続させるという意図もあり、「内藤!お前が俺の最後の希望だ!」と挑戦を表明。

ファン投票をやるのか?それともやらないのか?という話題で持ち切りになった。

 

“棚橋弘至になれなかった男”は“棚橋程度にならなくてよかった”と返した。

2人の舌戦はとどまるところを知らず、東京ドームへとつながっていく。そして、内藤哲也選手が棚橋弘至超えを果たし、頭を下げた。

正直、完璧だった。これがメインイベントのあるべき姿であるとも言わんばかりに美しい時間だったのだ。

一方で、メインイベント。オカダ・カズチカ選手VSケニー・オメガ選手である。試合がとんでもなく凄かった。以外で物語的な印象は正直薄い。

僕が新日本プロレスにハマったのがこのイッテンヨン以降ということもあるが、歴史を振り返ってもエピソードとしてあまり語られてもいない。

つまり、オカダ・カズチカ選手とケニー・オメガ選手については物語性は薄かった。しかし、試合は非常にキャッチーであり、今でも語り継がれる名勝負となっている。

これが宮原健斗選手が語った、歴史とキャッチーの違いであり、今にいたる分岐点なのではないかと考えている。

 

ウィル・オスプレイ

おそらく今の新日本プロレスにおいてもっともキャッチーなレスラーはウィル・オスプレイ選手だと思う。

Twitterで彼の試合を切り取った動画がものすごい伸びを見せることは決して珍しくない。

それも公式アカウントではなく、ファンが勝手にアップしたものが伸びる傾向すらある。

令和時代にリングで魅せる規格外の動きはキャッチーさにつがなり、現代のプロレスははとんでもないことになっていると、ひと目で体感させることができるのだ。

“エアリアルアサシン”は“名勝負製造機”へと進化を遂げた。ヘビー級に転向したこともあり、これからはヘビー級のレスラーたちがライバルとなる。

プロレスの楽しみ方に新しい価値観を与える一つのアイコンとしてウィル・オスプレイ選手はまちがいなく存在するだろう。

 

僕の楽しみ方

最後に、僕のプロレスの楽しみ方を書いていきたい。

僕は宮原健斗選手が語ったキャッチーさが今の時代にはマッチしていると思う。とにかく、すごい!面白そう!こういった分かりやすさで人を惹き付けるのは棚橋弘至選手が掲げている価値観にも近いものがある。

また、新日本プロレスに限らず各団体のレスラーがYouTubeに進出している。

地上波に関してはオファーがなければ露出することができないが、YouTubeであれば話しは別。各団体の大会が始まった後はこれまでカメラが入れなかった場所が配信されていく可能性は高い。こうしたキャッチーさ、身近さは今後も求められていくだろう。

ただ、僕はレスラーとはある種ミステリアスな存在でいて欲しいとも思う。

どこからが素でどこからが演じているのか分からない。そんなアンニュイさもプロレスならではの魅力なのだと思っている。

そして、何よりもあのレスラーとあのレスラーはこういった因縁や歴史がある。それが交錯して試合に発展したという星座はプロレスが長年愛され続ける最強の武器でもある。

2018年、内藤哲也選手がオカダ・カズチカ選手に敗れたからこそ2020年のイッテンゴが大きく盛り上がったと思う。KENTA選手の乱入劇からその後の展開を見ても、彼が紡いできた歴史が深みを作っていった。

僕は、今のプロレスにおいて求められているのは、キャッチーさと歴史、物語の両軸だと思っている。エンターテインメントが多様化した現代社会だからこそ、これまで以上の魅力が求められるようになった。

これからプロレスが大きく広がることを心から祈っている。これからの宮原健斗選手から目を離すことができない。

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