鈴木みのるとオカダ・カズチカの共通点に大切なことを学ぶ。新日本プロレス公式スマホサイトで鈴木みのる選手への一問一答を読んでみると改めて気づいたことがあったので書き残しておく。
よくよく考えてみると、鈴木みのる選手が大海賊祭でオカダ・カズチカ選手を指名したのは、現在最強のレスラーという意味合い以外でも何かがあるのかもしれない。
鈴木みのる選手とオカダ・カズチカ選手の共通点は、中学生時代に己の進むべき道を決めたということである。
鈴木みのる選手は直接新日本プロレスのオフィスへ履歴書を出すも、入門テストすら受験することができなかった。
強くなければ、スタートラインにすら立つことができない。高校時代にはじめたレスリングでは全国大会にまで駒を進めるほどの選手になった。
全てはプロレスラーになるため。この目標を叶えるために鍛錬を積んできたのだと思う。
新日本プロレス入団後は、UWF、藤原組を経て、パンクラスを旗揚げ。
秒殺、ハイブリッドボディなど新しい価値観を世間に知らしめた。
一方でオカダ・カズチカ選手はどうか。中学を卒業すると進学ではなく闘龍門に入門。
メキシコへと渡りプロレスラーとしてのデビューを飾った。その後、ウルティモ・ドラゴン校長からの推薦で新日本プロレスへ。ヤングライオンとして新日本プロレス生え抜きレスラーに流れる獅子の血を入れた。
凱旋帰国後は24歳の若さで「IWGPヘビー級ベルト」を戴冠。新日本プロレスだけでなく、プロレス界の顔として君臨する絶対無敵の王者となった。
誰しもが思春期の時に感じた「俺は私はこうなりたい!」という衝動。
身体の不調なんて全くなく、走り回りながら夢を恥ずかしそうに語る。あの時の気持ちは何だったんだろう。
思春期の時代に何かに目覚め、その道をまっすぐ進む人間だけが年を重ねた時に、人から羨望の眼差しを浴びる側に回れるのかもしれない。
枠を超えたグランドスラムへ
鈴木みのる選手は希代のプロレスラーであり、王と呼ばれる器に相応しいほどの実力も人気も持っている。
全日本プロレスでは第35代・第42代三冠ヘビー級王座に輝き、プロレスリング・ノアでは第23代GHCヘビー級王座に座った。
全日本プロレス、プロレスリング・ノアそれぞれの至宝を手にし、プロレス大賞では技能賞、最優秀タッグチーム賞、MVP、殊勲賞を受賞している。
イギリスでも大人気を博し、RPWブリティッシュ・ヘビー級ベルトも戴冠した。
だが、「IWGPヘビー級」ベルトだけは戴冠していないのだ。
逆に言えば、今回オカダ・カズチカ選手からベルトを奪取することで、国内3団体でのグランドスラムが実現されるのだ。
また、天龍源一郎さんが保有している最年長戴冠記録も塗り替えることになる。鈴木みのる選手が日本のプロレス界の歴史に王手をかけようといしている。
そう、プロモーション・レスリングが生まれた地であるイギリスで何かが起こっても不思議ではないのだ。
プロレス王
鈴木みのる選手のゴッチ式パイルドライバーは完全に本人によるオリジナル技だが、彼の師匠であるカール・ゴッチさんの名前が冠についている。
鈴木みのる選手はこのことについて、大好きな人の名前が付いているのは悪くないと黙認している。“ゴッチ式”パイルドライバーは危険技が増えた新日本プロレスにおいて明らかに一線を画す技である。
膝の下から数十センチ。この落差は大技の多い新日本プロレスおいては、地味な印象があっても不思議ではない。
ただし、数ある必殺技の中でも最高に盛り上がる最強の技だと僕は認識している。
その理由は、鈴木みのる選手が使用している点が全てである。
常に進化し続けている鈴木みのる選手は高速でゴッチ式パイルドライバーを決めたかと思えば、じっくりとじらすように時間を掛けて落とすケースもある。
緩急や魅せ方。その全てにお金を支払う方があるのである。
プロレス王の技はこれから更に進化し続けるだろう。プロレスの神様から受け取ったバトンが“ゴッチ式パイルドライバー”を含めた全ての攻撃に詰まっているのだ。
いよいよイギリスへ
オカダ・カズチカ選手と鈴木みのる選手のイギリス決戦がいよいよ迫ってきた。
15歳で人生の方向を決めた2人による意地と意地のぶつかり合い。
直近、2人の試合は2試合連続でドロー。今、最もオカダ・カズチカ選手に負けていないのが鈴木軍のボス鈴木みのる選手なのだ。
新日本プロレスワールドで生中継されないこの一戦。イギリスという地で一体どんな試合が繰り広げられるのか。
「プロレス王」と「IWGPヘビー級王者」による激突は必ずPPVで見なければならない。
「G1クライマックス」選ばれなかったタイチ選手は後藤洋央紀選手から「NEVER無差別級」のベルトを奪取した。
「鈴木軍」のボスが満を持して、新日本プロレスのボスになる瞬間の分岐点が迫っていているのだ。
日本時間で深夜1時半。今日は早めに仮眠を取るとしよう。