新日本プロレス「Roadtoレスリングどんたく2019」後楽園3連戦の見所について書いてみたい。
まず、開催されるタイトルマッチは1試合。王者である真壁刀義選手、矢野通選手、田口隆祐選手が「バレットクラブ」の三兄弟を迎え撃つ「NEVER無差別級6人タッグ選手権試合」だ。
第18代王者組のトリオから石森太二選手に変えてヒクレオ選手が加入。まだまだ未完の大器という印象のあるヒクレオ選手がタマ・トンガ選手、タンガ・ロア選手とどんな化学反応を魅せるのか期待したい。
また、チャンピオンチームとしては2月22日以来、2ヶ月振りの防衛戦となる。
コルト・カバナ選手、デリリアス選手、チーズバーガー選手の曲者チームを退け、現在防衛記録は一回。
「NEVER無差別6人タッグ」の歴代最多防衛記録は3回なだけに、記録を更新は目前と言っても過言ではない。
田口ジャパンと登別市観光大使のコラボレーションでまた一つ勝利を掴んで欲しいものだ。
そして、今回の後楽園のメインイベントは全てスペシャルタッグマッチが行われる。
初日は後藤洋央紀選手はドラゴン・リー選手とタッグを組み、ジェイ・ホワイト選手&石森太二選手が迫る。
続く2日間は「CHAOS」VS「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」。
オカダ・カズチカ選手対SANADA選手の前哨戦とロッポンギ3KVS鷹木信悟選手&BUSHI選手。
バチバチに意識しあうもの同士がぶつかり合うことが予想される後楽園ホールのメインイベント。
今回は、初日に行われる後藤洋央紀選手はドラゴン・リー選手のタッグに期待したい理由を書いていきたい。
ドラゴン・リー選手が尊敬する選手として名前を挙げているのが、柴田勝頼選手である。
この展開に同級生タッグを愛する僕が燃えないはずがないだろう。
覚醒の荒武者に期待
「レスリングどんたく2019」が発表された時に目を引いたのは、後藤洋央紀選手とジェイ・ホワイト選手のスペシャルシングルマッチだった。
2018年に飯伏幸太選手に敗れ「NEVER無差別級ベルト」を失って以降、テーマのない戦いが続いていた後藤洋央紀選手にいよいよスポットライトが当たる日が来た。
一方でジェイ・ホワイト選手と言えば、MSG「G1 SUPERCARD」のメインイベントでオカダ・カズチカ選手に敗れ「IWGPヘビー級ベルト」を失ったものの、近年最も格を上げた選手である。
後藤洋央紀選手が何度手を伸ばしても届かなかった黒のベルトを“ガイジン”レスラーとしては最年少で掴んだ新時代の担い手に、荒武者はどう立ち向かうのだろうか。
後藤洋央紀選手との試合を通じて、数多くのレスラーが日の目の浴びるチャンスを得た。そろそろ後藤洋央紀選手にスポットライトが当たってもいい頃合いだろう。
イシモ・リーのリベンジ
現WWE NXTのスーパースターKUSHIDA選手からイッテンヨン「レッスルキングダム」で「IWGPジュニアヘビー級ベルト」を奪取した後、田口隆祐選手や獣神サンダー・ライガー選手を打ち破ってきた石森太二選手。
「キープオンジャーニー」などの困難を乗り越えてきた彼は3Wayマッチでベルトを手放す結果となってしまった。
現王者はCMLLの至宝ドラゴン・リー選手。パワーと飛び技のハイブリッドはいわゆるルチャドーラーとは異なるファイトスタイルで新日本プロレスマットにおいても人気を高めてきた。
「俺は負けてない」最もな言い分でリマッチが決まった2人の対決。ここでの前哨戦で後藤洋央紀選手とジェイ・ホワイト選手がそれぞれの横に立つのだから面白い。
ジェイ・ホワイト選手と石森太二選手のタッグはおそらくバッチリ噛み合うはずだ。緩急をつけながらジワジワと攻めるスイッチブレイドに対して、バーンソルジャーが一気にスピードを4速まで上げる。
実は非常にバランスの取れたタッグチームなのかもしれない。
一方で、後藤洋央紀選手とドラゴン・リー選手は未知数だ。
「CHAOS」と新日本本隊の距離が近づいたことで生まれた即席のタッグチーム。ぱっと見、そんなイメージすら湧いてくる。が、そんな心配は杞憂に終わるはずだ。
おそらくこのタッグチームは強い。それもかなり強い。
柴田勝頼のエッセンス
まず、後藤洋央紀選手がヤングライオンを卒業し、現在の風貌になったのはメキシコ遠征以降である。
12年前にメキシコをしっかりと体験しているのだ。また、後藤洋央紀選手はシングルプレイヤーとしての強さはご存知の通りだが、タッグも滅法強い。
「ワールドタッグリーグ」優勝2回。「IWGPタッグベルト」も柴田勝頼選手と戴冠している。
続いてドラゴン・リー選手。
尊敬するレスラーは柴田勝頼選手。2018年の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」では、柴田勝頼選手からプレゼントされたレガースを身に付け、ザ・レスラーのタオルに全身黒のコスチュームでクリス・セイビン選手との試合に臨んだ。
試合中も「シバタサーン!!」と叫び串刺しドロップキックを披露するなど、リスペクトの気持ちがハッキリと伝わってくる。
柴田勝頼選手に尊敬の念を抱くメキシカンと後藤洋央紀選手がタッグチームを組むのだ。
これはただの即席タッグチームになるとは思えない。
ダブル牛殺しやスイカ割りが飛び出す可能性も十分にあるのだ。
豪華過ぎる前哨戦を制すのは、柴田勝頼選手という絆で結ばれ惹かれあった後藤洋央紀選手&ドラゴン・リー選手か。
新日本プロレスが新時代をリボーンするジェイ・ホワイト選手&石森太二選手か。
運命のゴングまで12時間を切った。